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新潟の逆襲、次節に向けて立て直しが迫られるクィーンビーズ
- 2024年11月10日
- admin
山梨クィーンビーズ 58-63 新潟 (ゲーム2)
スコア・見逃し配信
ゲーム1で先勝した翌日のゲーム2。しかも会場は相手・新潟のホーム。相手がプライドをかけて向かってくることは分かりきっていた。それは、前節の秋田戦で受けた洗礼とも共通するものがある。同じ轍は踏めないクィーンビーズも、そこには強い意識を持って臨んだはずだが、新潟のエネルギーを受け止め、いや、跳ね返すことができず、苦戦を強いられる結果となった。
試合は13時トスアップ。序盤から井上と土田が果敢にリングへアタックし、クィーンビーズはイン・アウトのリズムで攻撃を仕掛け、好調な滑り出しを見せた。しかし、新潟のガードに対するプレッシャーに押し上げられ、ボールが外でのみ回る単調なオフェンスとなり、得点が伸び悩む展開となる。残り3分37秒、パスミスから新潟に速攻を許し、点差が6-12と広がる場面で石川ヘッドコーチがタイムアウトを要求。だが、その後もパスミスやイージーシュートのミスが続き、14-17の3点ビハインドで第1クォーターを終了した。試合後、石川幸子ヘッドコーチは「チーム全体がやや消極的な姿勢で試合に入り、主導権を握り切れなかったことがその後に影響した」と序盤でリズムに乗れなかったことを悔やんだ。
第2クォーターに入ると、上長のスリーポイントで同点に追いつき、続けて上長がドライブで加点し19-17と一時逆転に成功。しかし、新潟の今日のトップスコアラーである本田朱里が連続で5得点を決め、試合の流れが再び相手に傾く。クィーンビーズはインサイドへのボール供給を断たれ、シュートの精度も上がらず、ファウルが重なり相手にフリースローの機会を与えるなど、厳しい展開が続いた。27-35の8点ビハインドで前半を終了した。
後半の出だしでつまずきは避けたいクィーンビーズ。第3クォーターの序盤は両チームともに得点が停滞する時間帯となるが、新潟が27-37と10点差までリードを広げる。クィーンビーズはゾーンディフェンスに切り替え、新潟の得点ペースを鈍らせようと試みる。片山のスリーポイントで一時30-37と点差を詰めたものの、新潟の守備に苦戦し、得点は伸びない。また、リバウンドでの苦戦が目立ち、セカンドチャンスを逃す形が続き、ここでもチームとしてリズムを取り戻せないまま第3クォーターを36-43で終了した。
最終第4クォーター。新潟がリードを広げ、クィーンビーズは最大で12点の差をつけられる厳しい展開となる。インサイドでの得点が伸び悩む状況が続き、そこへの供給が繰り返されるも、得点に結びつかない。加えてイージーシュートやパスのミスも多発し、思うように得点が伸びない。残り7分で最大12点のリードを許すと、石川ヘッドコーチがタイムアウトを要求。このタイムアウト後、井上が果敢にアタックし、フリースローも得て得点を重ねて追い上げを見せた。残り1分40秒には4点差まで詰め寄るも、再び新潟のスリーポイントが決まり、勝機を逃す形となった。
最終スコアは58-63で惜敗。会場内には勝利を分かち合う新潟の選手の笑顔が溢れ、ホームのブースターから送られる拍手と歓声に包まれた。
その傍ら、肩を落とし会場を後にするクィーンビーズ。通算成績は4勝6敗となり、次節から始まる2巡目の対戦に向けての立て直しが急務となった。
今日の試合は、第1クォーターから終始新潟のディフェンスに苦しめられ、イージーシュートやパスミスが重なり、自分たちのリズムに乗り切れない展開が続いた。また、片山菜々が言う「リバウンドや守備での対応力」、井上桃子が指摘する「得点後の守備の徹底不足」が、得点が停滞する我慢の時間を乗り切るために重要なポイントであったといえる。
リーグ戦の一巡目を4勝6敗で終えたクィーンビーズにとって、2巡目では今日浮き彫りになった課題、すなわち試合中の相手のディフェンスへの対応やオフェンスの精度向上、リバウンドやルーズボールで流れを掴む姿勢の徹底が、勝利への鍵となるだろう。これは、突出した個が存在しないクィーンビーズにとって、14人全員が意識して取り組まなければならない命題だ。
誰でもできることを誰よりも!
石川ヘッドコーチは、6月30日の新体制公開記者発表で、こう語っている。「バスケットボールが上手なだけでは優勝はできないと思っています。1人がみんなのために、みんなが1人のために愛を持って考えて行動を起こすことができれば、優勝は手の届くところにあると信じています」と。
チーム、クィーンビーズの戦いはここから始まる。
ヘッドコーチ・選手の談話
石川幸子ヘッドコーチ
今日は序盤は良い入りをしたものの、セカンドチームが入る前から少しバタバタしてしまい、そこからゲームをコントロールできず、相手にリズムを与えてしまいました。新潟のプレッシャーはそれほど強いとは思わないのですが、私たちが消極的な姿勢を見せてしまい、自分たちのリズムを掴めない展開になりました。
特に狙いどころであるシュートを決め切れず、ゴール下の簡単なシュートやノーマークのシュートも落としてしまったのが響きました。こうした大事な場面での1本を決めきるためには、日頃の練習から意識を変えていかなければ難しいと感じています。
相手が63点に留まっていることを考えると、私たちが得点を決められなかったことが大きな要因だと感じます。リーグ戦が一巡し、4勝6敗という成績で2巡目を迎えますが、やはりチーム全体が一つにならないと勝ち切れません。自分の調子が悪いときでも、チームのために動く姿勢が大事で、シュートが入らないならディフェンスやリバウンド、ルーズボールでチームに力を与えて欲しい。ヘッドダウンしている時間はありません。次の一週間でしっかり立て直し、チームとして一つになって戦う準備をしていきたいと思います。
キャプテン井上桃子
初戦でうちが勝ったあとの2戦目は、相手が強く来ることわかっていることで、それはミーティングでも話をして準備していましたが、おように行きませんでした。 1~3クォーターまでは、15点以上取れないクォーターが続き、試合を通して自分たちのペースで得点できなかったと感じています。練習でも得点が上がらないケースが目立ち、それが試合にも出てしまったように思います。
今日はガードへのプレッシャーが強く、ハーフライン付近からのプレーも増えてしまいました。ウイングやセンターが早く反応して受け取るなど、相手のディフェンスをうまく利用する方法をもっと活かせていれば、もう少し得点を伸ばせたかもしれません。また、第4クォーターでは得点した後に守り切れず、逆に相手に決め返される場面が多かったです。一つ一つの得点後にしっかり守ることができずに厳しい試合展開にしてしまいました。
今後、2巡目に入る中で、相手も私たちのプレースタイルを理解してくるため、相手の動きに対応する判断力がより重要になります。リバウンドやルーズボールをしっかり取ることはもちろん、相手のディフェンスにどう対応するかを意識し、一人ひとりが考えてプレーしていきたいと思います。
片山 菜々
今日の試合では、自分たちのリズムに乗り切れず、簡単なミスやシュートを決め切れない場面が続いてしまいました。特に第1クォーターの入りは悪くなかったものの、第3クォーターで相手のペースに引き込まれ、試合の流れを取り戻せませんでした。相手のディフェンスがハードに来て、ガードの持ち時間が長くなり、ボールが上の方ばかりで回ってしまったのが課題でした。もう少し早くウィングに繋げていれば、もっと楽にバスケットができたと感じます。
ポストでも相手にうまく守られてしまい、奥へのパスを出す工夫が足りなかったと反省しています。
自分のプレーに関しては、ディフェンスで今日は特に積極的に相手に挑む姿勢を持ち、マークする選手には得点させない気持ちで臨みました。自分の持ち味が少し出せた場面もあったと思いますが、オフェンスでもまだ改善の余地があるので、次の試合に向けてさらに頑張ります。
上長 美菜
今日は全体的に厳しい展開で、これまでの試合と同様に、出だしの悪さが影響したと思います。第1クォーターで一度良い流れが作れても、クォーターの終わりには点差が縮まってしまい、勢いのあるプレーがなかなか出せませんでした。また、試合を通してコントロールが効かず、相手にリズムを与えてしまう場面が多く、苦しい時間を凌ぎ切るためディフェンス面での強化が必要だと感じました。崩れにくいチームディフェンスをさらに意識していかなければならないと感じています。
オフェンス面では、相手のマークが厳しく、ガードがボールを持つ時間が長くなってしまい、個性を活かしきれず、1対1でズレを作るプレーも少なかったです。無理なシュートセレクションやリバウンドを取り切れない場面が多く、チーム全体で個々の良さを引き出すプレーを増やしていきたいです。
次週から2巡目に入りますが、相手も私たちのプレースタイルを把握してくるため、自分たちの意図を押し通すだけでなく、相手の動きに合わせて柔軟に対応する判断力がさらに重要になってくると思います。