山梨クィーンビーズ

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試合報告

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勝利に必要なもう一歩 ― 高みを目指し挑戦は続く

山梨クィーンビーズ 55-58 三菱電機 (ニュートラル開催)
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昨日の試合後、上長美菜は「追いかけることに慣れてしまっている。でも、追いつくところまでは行くけど、そこから先にいけない。リードして試合を進める展開に持っていきたい」と語った。この言葉は、「試合の入り方で後手に回り、追いかける展開を脱却したい」というチームが抱える課題を端的に表している。

特に注目されたのは、攻め手を欠くオフェンスをどう修正するかだ。組織的に納得できる形でオフェンスを終え、それを次のディフェンスにつなげられるかどうか。シュートの成否以上に、その後のプレーが勝敗を左右する。また、リバウンドやルーズボールといった生命線ともいえる局面でどれだけ踏ん張れるか。さらには、決定機でのシュートミスをどう克服するかも試合の焦点となった。

クィーンビーズは試合開始からリバウンドを制し、速攻につなげる好調な滑り出しを見せた。第1クォーター終盤には池田の得点で13-10とリードし、18-17とわずかなリードを持って第2クォーターへ。

第2クォーターも人とボールがよく動き、組織的なオフェンスからリングへのアタックを繰り返した。ディフェンスも堅実で、速攻を許さない安定感が際立った。38-34とリードを保ってハーフタイムを迎え、久しぶりにベンチも盛り上がりを見せた。チーム全体が一体となった前半だった。

後半に入ると、三菱電機がディフェンスの強度を上げ、徐々に流れを掴み始めた。第3クォーター残り5分28秒、永井唯菜のスリーポイントで44-46と逆転されると、クィーンビーズは連続してターンオーバーを犯し、反撃の糸口を掴む前に44-51と点差を広げられる展開に。石川幸子ヘッドコーチはタイムアウトを要求して立て直しを図り、アンモールと中澤を併用してインサイドの攻撃を試みたが、完全に流れを引き戻すことはできなかった。それでも、48-52と4点差で第4クォーターに希望をつないだ。

勝負の第4クォーター、三菱電機はゾーンディフェンスを敷き、クィーンビーズの攻撃を封じ込めた。序盤から得点が止まる苦しい時間が続き、残り6分54秒で48-56とリードを広げられる展開に。シュートが決まらない時間帯が続き、リバウンドでも押される苦しい状況の中、残り2分29秒まで無得点に抑えられた。この7分間の得点停止は、試合全体に大きな影響を与えた。

終盤、井上桃子や渡邉愛加が得点を重ね、55-56と1点差に迫る粘りを見せたものの、試合は55-58で終了。三菱電機のゾーンディフェンスを攻略できなかったことが、この試合の明暗を分けた。

試合後、井上桃子は「勝負どころでの得点力不足」を、渡邉愛加は「ゾーンへの対応力」を敗因として挙げた。また、土田帆乃香は「ピンチでの声掛けの重要性」を指摘。この点に関しては、石川幸子ヘッドコーチや渡邉愛加も、異なる言葉ながら必要性を語っており、チーム全体で改善が求められる課題となった。

クィーンビーズの通算成績は4勝8敗となり、暫定順位は5位。上位進出を狙うための星勘定は厳しさを増している。それでも、石川幸子ヘッドコーチは「前回の対戦と比較すると、昨日今日の2試合を通じて、選手たちは確実に成長していると感じています。リーグ戦はまだ終わりではありません。選手たちにも諦めない気持ちを伝え、次の試合に向けてしっかりと準備を整えていきます」と語り、次節のアランマーレ秋田、新潟との対戦に目を向けた。

二日間の対戦で浮き彫りになった課題を、次戦でどう活かすか。

開幕前に掲げた目標を叶えるために。そして、どんな時も温かく熱い情熱でチームを後押ししてくれるファン・ブースターと共に、クィーンビーズはさらなる高みを目指す。その戦いは、まだ終わらない。

ヘッドコーチ・選手の談話

今日の試合も最後まで粘りを見せましたが、勝負どころで決め切れない場面がありました。特に、ゾーンディフェンスへの対応がうまくいかず、セットプレーを展開できなかったことが痛かったです。また、相手のミスを攻撃につなげられなかった点も課題として残りました。

流れが悪い場面で浮き足立つ場面がありましたが、こうした状況でコート内で落ち着かせる声かけができれば、展開は変わったかもしれないと感じています。

ただ、東京羽田戦と三菱電機戦を通じて、選手たちは確実に成長していると感じています。今日の試合内容も、前回対戦時と比較すると多くの面で改善が見られました。結果的に勝利にはつながりませんでしたが、次に向けて自信を持てるプレーも多く見られたことは収穫です。

リーグ戦はまだ終わりではありません。選手たちにも諦めない気持ちを伝え、次の試合に向けてしっかりと準備を整えていきたいと思います。

キャプテン井上桃子

今日はディフェンスはしっかりと機能していたと思います。相手の得点源となる選手を10点に抑え、総得点も60点未満に抑えたことは収穫です。ただ、第3クォーターの途中や第4クォーターで得点が止まってしまい、勝ち切るためのオフェンス力が課題として残りました。

また、フリースローの本数ではこちらが4本に対し、相手は18本と大きな差がありました。相手は積極的にレイアップを狙い、チャンスを確実にものにしていましたが、私たちは難しいシュートや判断に頼る場面が多く、精度を欠いてしまったと思います。もっとコート全体を使ったオフェンス展開や正しい判断を徹底する必要があると感じています。

次の試合に向けては、全員が得点を狙う意識を持ち、一人一人がリングにアタックする強さを忘れないようにしたいです。相手のやりたいことや得点源は把握できていますので、ディフェンスの強度をさらに上げ、それをブレイクにつなげることが鍵になります。

まだリーグ戦は続きます。ここで諦めることなく、全員で戦い抜きたいと思います。

土田 帆乃香

悔しい試合。特に、三菱電機のゾーンディフェンスに対して、ガードとしてチームをコントロールしきれなかった部分があり、攻撃の形を作るのが難しかったです。また、相手がゾーンからマンツーマンに切り替える駆け引きも巧みで、そこに対応しきれず、得点を伸ばすことができませんでした。

後半に入ると、試合全体の雰囲気が少し沈んでしまったように感じました。勝たなければいけないというプレッシャーも影響しているのかもしれませんが、こうした場面こそ、ポジティブな声掛けや明るい雰囲気を意識することが大切だと思います。

渡邉愛加

自分自身としてはアタックの意識を持ちながらプレーできたと思いますが、チーム全体として、相手のゾーンディフェンスへの対応が甘くなってしまいました。相手がゾーンに切り替えると、ボールが停滞し、攻撃が単調になってしまった部分が悔やまれます。この点が試合の流れを大きく左右したと感じています。

また、勝負どころでミスが続くと、チーム全体のリズムが崩れてしまう場面もありました。こうした状況で、チームを牽引し、早い段階で空気を変えるようなプレーができれば良かったと反省しています。

それでも、昨日に比べると攻める姿勢は出ていたと思いますし、全員が得点を狙う意識を持っていたことはポジティブな要素です。これからも、相手のアジャストが効いている状況下で、どれだけ自分たちがやりたいことを徹底できるかが鍵になると感じています。

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